ていね泌尿器科がJR手稲駅前に開院した 外来専門のサテライトクリニック
●医療法人社団 伸孝会 ていね駅前泌尿器科
砂押 研一 院長
札幌市手稲区本町1条3丁目3-1メディカルスクエア手稲2F TEL 011-686-6600
医療法人社団伸孝会(鈴木伸和理事長)が、『ていね泌尿器科』(竹田孝一院長、札幌市手稲区前田6条7丁目1-12)のサテライトクリニックとして、JR手稲駅前に外来専門の『ていね駅前泌尿器科』を平成27年6月1日に開院。通院に便利な立地もあって地元手稲区以外からの来院患者からも支持されている。これにより本院は長年の課題だった外来患者の待ち時間軽減を実現、地域医療の貢献度を高めている。開院半年を迎えた『ていね駅前泌尿器科』の砂押研一院長に泌尿器科疾患と治療法、さらに本院とサテライトの連携について話してもらった。 「メディカルページ平成27年度改訂版」(平成27年12月5日発行)の冊子に掲載された記事です。 |
泌尿器科領域と疾患について教えてください。
■砂押 研一院長 |
一般的に泌尿器科では、尿にかかわる臓器の診察をします。具体的には男性・女性と共通して、尿をつくる腎臓、腎臓から尿が流れてくる尿管、尿が溜まる膀胱、これら「尿路」といわれる臓器の診療を行います。また男性では「生殖器」である前立腺、睾丸、陰茎など生殖系も診療します。さらに副腎も泌尿器科の診療範囲となり、泌尿器科が扱う守備範囲は、通常思われているよりも広いのです。外来患者さんの7割から8割くらいは、頻尿、排尿困難、排尿時痛など排尿に関するトラブルで来る方が多いです。疾患として多いのは、男性では前立腺肥大症、女性では膀胱炎や過活動膀胱になります。次に多いのは尿管結石で、腰やわき腹が痛いなどの症状が泌尿器の疾患によることもあります。他には痛みなどの症状がなくても、尿に血が混ざるというときにも検査しなくてはなりません。そのような方も良く来院されます。
言い始めるときりがなくて、例えば症状はないけれども、血液検査で前立腺がんの数値が高いこともあります。目で見ても何ともないが、検査すると尿に血が混じっているとか、そういう方もいらっしゃいます。
鈴木理事長は男性性機能障害(ED)の専門医としても著名ですね。
男性の勃起障害、EDも泌尿器科の範囲になります。それと男性特有の症状では男性更年期もあります。イライラするとかやる気が出ない、夜眠れないとかなど、うつ病と被る症状があり、心療内科に掛かられている方もいますが、女性の更年期と同じで、急に火照るとか汗が出る。そして性欲が急になくなる。そういう症状もある場合は男性更年期であるケースもあります。原因は男性ホルモンが年とともに減ってくるために起こると言われています。女性の場合、閉経を迎えて一気に女性ホルモンが減って更年期になりますが、男性の場合は、徐々に男性ホルモンが減ってくることが多く、発症時期などがわかりにくいことも多いのです。
先生は日本泌尿器科学会の専門医の資格もお持ちですが、ご専門としているのは?
一般のクリニックですから、特に何が専門というのは設けていません。前立腺肥大症、過活動膀胱、膀胱炎や尿道炎が専門になっていますね。それから本院の『ていね泌尿器科』では、前立腺癌の疑いがある場合に針生検を、前立腺肥大症、結石、膀胱がんに対しては内視鏡手術を行っています。前立腺癌や膀胱がん、腎臓癌など、比較的大きな手術をしなければならない時は、近隣の渓仁会病院や大学病院と連携して手術を依頼することになります。
プライマリーケアから、内視鏡手術までが僕らの担当ということになりますが、それぞれの患者さんに合わせてベストを尽くします。
前立腺肥大症の治療法では最新のTUBE(チューブ)を手掛けていらっしゃいますね。
前立腺肥大症は、理論的には肥大した部分をなくさなければ治りません。そのための内視鏡手術には少しずつ削るか、繰り抜くかの2つの方法があり、繰り抜くにはHOLEP(ホーレップ)とTUEB(チューブ)の方法があります。我々は少し筒削ることもできるTUEBを行っています。これは最新の電気メスを使って行う手術ですが、利点としては、従来のものと比較して生理食塩水を使用する分、合併症が少ないことが挙げられます。
医師を志したきっかけはなんだったのでしょう?
きっかけは中学校時代になります。クラスの中に、通常の会話が成り立たない脳性小児まひの子がいました。ところがふとした時に彼とコミュニケーションを取れることがあったのです。それで、「やりようによっては治療することができるかも知れない、そのような医師になりたい」と思ったのが最初のきっかけでした。
その後、高校生になったのですが、今度は自らで血尿を出してしまい、近くの病院の泌尿器科に受診しました。結局特に心配な病気ではなかったのですが、その診断に至るまでの約1か月、担当の泌尿器科医からは不安になるようなことを言われ、「自分は癌なのではないか」と相当落ち込みました。その際受診した内科で「あまり気にしなくて良いですよ」と優しい言葉をかけられ、それだけで気持ちが楽になった経験があります。
その経験から「医者の言葉は患者にとつて大切なものなのだ。そういう言葉を大事にする医者になりたい」と思うようになりました。その思いは今も変わりません。
泌尿器科を選んだのは、その経験から一番興味があり、勉強自体が面白かったからです。また、臨床研修にいった病院で、前立腺肥大で尿が出なかった患者さんが、削ったら出るようになり、喜んで帰るのを目の当たりにしたことが決定的になりました。ですから診療科を決めたのは、同期の中で私が一番早かったです。
『ていね泌尿器科』のサテライト『ていね駅前泌尿器科』が開院して半年になりますが、ご感想は。
患者さんからは駅に近くて喜ばれていますが、診療時間が月曜から金曜の午前中だけなので、午後やっていないから残念ですというお声も聞きます。今は本院も合わせて医師3名体制ですが、現状ではこれが手一杯です。さらに医師が来てくれた際には、終日診療できたらと思っています。
サテライトの開院後、改めて実感したのは、患者さんのお話をよく聞くことが大事ということです。患者さんの中には、羞恥心などから最初から自分の本当に困っている症状を言い出せない方もいます。そのような方はしばらくしてから、「実は・・」と打ち明けてくれる場合もあります。ですから話を良く聞く、あるいは話しやすい雰囲気を作るということが大事なのだと思っています。
医療法人社団 伸孝会 ていね駅前泌尿器科
札幌市手稲区本町1条3丁目3-1メディカルスクエア手稲2F
TEL 011-686-6600
http://www.teine-uro.or.jp/ekimae/
医療法人社団 伸孝会『ていね泌尿器科』
医療法人社団 伸孝会『ていね泌尿器科』
(武田孝一院長 札幌市手稲区前田6条7丁目1-12 TEL 011-695-1100)
■医療法人社団 伸孝会 鈴木伸和理事長 |
■ていね泌尿器科 竹田孝一院長 |
『ていね泌尿器科』は平成9年1月に開院。現在、サテライトの『ていね駅前泌尿器科』も合わせて展開する医療法人社団伸孝会は、その法人名からも分かるように鈴木伸和理事長との竹田孝一院長が本院開院時よりタッグを組み、地域の泌尿器科疾患を担ってきた。
鈴木理事長はまた、大学の医局員時代から研究していた男性性機能障害(ED)の治療にも力を入れ、道内でも数少ない専門医として高い信頼を集めている。
■地域の泌尿器科疾患を担う『ていね泌尿器科』 |
それだけに患者数も多く、診療までの待ち時間の短縮が課題だった。『ていね駅前泌尿器科』の開設は、この課題の解消と合わせて、JR手稲駅近接という好立地から患者の通院も、さらに便利になった。
サテライトの開設により、本院・サテライトとも予約制診療に切り替え、患者の待ち時間の負担をさらに軽くした。また、本院では毎週水曜日と金曜日に、札幌市内でも数少ない夜間の外来診療を行っている。診療時間は夜8時までとなっているが、透析には通常4から5時間かかるため、夜10時までの対応となるのが通例化しているという。この辺に鈴木理事長以下、医療法人社団伸孝会スタッフの患者と医療に対する熱意が表れている。
本院とサテライトの連携による医療体制の充実は、サテライトを担当する砂押院長の話からもよく分かる。患者の情報を共有し、地域の医療機関としての重要性を一層高める医療法人社団伸孝会は、さらなるマンパワーの充実により今後の展開が期待を集める。
医療法人社団 伸孝会 ていね泌尿器科
札幌市手稲区前田6条7丁目1-12
TEL 011-695-1100
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