『関節リウマチ』について
~リウマチクリニックのご紹介~
たねいちリウマチクリニック
札幌市豊平区月寒中央通8丁目4-7 ●http://www.taneichi-rheuma.jp/
たねいちリウマチクリニックは、札幌市内でも数少ないリウマチ膠原病の専門的クリニックです。 「メディカルページ平成22年度版」(平成22年8月10日発行)の冊子に掲載された記事です。 |
どんな症状のある人が受診するのでしょうか?
関節痛や関節のはれ、朝起きて手が握りにくい感じがある、筋肉痛、口の渇き感や目の異物感、冷たい水や冷たい風で手が白くなったり、紫色になる場合などはリウマチやその他の膠原病の可能性があります。関節痛を症状とする病気は100種類以上もありますので、専門医による適切な診断が必要となります。
関節リウマチとは
■種市幸ニ院長 |
関節リウマチは関節の痛みやはれが多数の関節にしかも左右対称性にでる病気です。病気になってから2年くらいのうちに骨の破壊が急速に生じ、身体機能障害が生じます。したがって、できるだけ早期に適切な専門的治療が必要です。
10年程前に関節リウマチにおいて「なぜ骨破壊や軟骨が減るのか」が解明されています。関節の中に炎症性サイトカインという物質、特に腫瘍壊死因子(TNF)が大量に作られるために骨を破壊する破骨細胞や軟骨を減らす酵素を出す軟骨細胞が増えて骨破壊や軟骨の減少が生じます。
診断基準が22年ぶりに改定されたそうですね。
従来の診断基準にある関節リウマチの定義は、①慢性で再燃と寛解を繰り返す、②左右対称で骨びらんを伴う、③関節外症状を呈する、と明らかに進行したリウマチについて述べられていました。しかし、関節破壊は発症から1年の間に急速に進行すること、早期であればあるほど寛解率が高くなることが分かり、早期リウマチの重要性がうたわれるようになりました。そこで2009年10月、ACR(アメリカリウマチ学会)とEULAR(ヨーロッパリウマチ学会)によって新しい基準が作られたのです。
関節リウマチの治療方法は?
近年、関節リウマチの薬物治療の進歩はめざましく、生物学的製剤の登場は関節リウマチの治療方針を根本的に変化させ、骨の破壊を抑え、しかも完全に病気をおさえ、身体機能障害にさせないまでになっています。
当院では抗リウマチ薬で効果不十分の場合は2-3ケ月以内にすみやかにメトトレキサートを投与します。メトトレキサートは関節リウマチの治療で世界で一番多く使われている薬剤です。当クリニックでも70-80%の患者さまが服用しています。それは、長く効果があり、生命予後の改善をもたらすことが証明された薬剤だからです。
メトトレキサートで不十分の場合は十分に安全性を確認の上、生物学的製剤(レミケード、エンブレル、ヒューミラ、アクテムラ)をすすめます。これらの生物学的製剤の有効性は明らかですが、肺炎などの感染症のリスクが上がることも事実です。
しかしながら、リウマチ専門医は十分な問診や検査で十分に個々の患者さまのリスクを分析し、感染症のリスクを下げる予防も行い万全な体制で治療をしています。関節リウマチは治らない病気ではなく、現在の治療は身体機能障害をもたらす骨破壊をおさえ、病気が治る治療を目指すことも可能になっています。さらに、生物学的製剤は発症して長期経過している関節リウマチ患者さまにもきわめて有効な薬剤で病気の勢いが強い場合は積極的に治療することを勧めます。
治療中の注意点を教えてください。
メトトレキサート服用中かぜの症状がでたときは必ず当クリニックを受診してください。
99%はかぜですが、100人に1人はこの薬による副作用の間質性肺炎のことがあります。
専門医でない場合はメトトレキサートによる間質性肺炎かどうか診断できない場合があり、診断の遅れは重篤な状態を招きます。
また、生物学的製剤で治療を受けているときはわずかな体調の異変があるときは遠慮なく主治医や当クリニックの看護師に相談してください。感染症の予兆かもしれません。対応が遅れますと、重篤な状態をもたらすことがあります。
治療中の注意点はやはり定期的な受診と検査および早めの相談や受診が大切です。
たねいちリウマチクリニック
札幌市豊平区月寒中央通8丁目4-7
TEL 011-853-7307
http://www.taneichi-rheuma.jp/