ダニアレルギーの舌下免疫療法 Q&A

手稲クローバー耳鼻咽喉科 院長 関 伸彦手稲クローバー耳鼻咽喉科
院長 関 伸彦

札幌市手稲区手稲本町2条4丁目2-22 手稲メディカルビル1F
TEL 011-684-9680

①免疫療法とはどういう治療方法ですか?

  現在行われているアレルギー性鼻炎治療の多くは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を抑える治療(いわば、対症療法)で、アレルギー体質そのものを改善する治療法ではありません。これに対して免疫療法とは、アレルギー反応が起きないようにする、より根本的な治療法になります。
  ダニアレルギーに絞って話を進めましょう。ダニアレルギーとは、「ダニを受け付けない体質」あるいは「ダニに対して体が過剰反応を示すこと」です。ダニの死骸が粉々になって空気中に舞い、それを吸い込むと鼻の粘膜に付きます。ダニの成分が体に入ってきたので、これを追い出そうと体が過剰反応します。ダニ成分を洗い流すために鼻水が出ますし、くしゃみによって鼻に入ったものを外に出そうとする。さらに、ダニをそれ以上吸い込むのを防止するために、鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりが起こるのです。これが、ダニアレルギー患者さんに起こる反応です。
  このダニアレルギー患者さんにダニの成分を投与し、少しずつ体に馴染ませて、ダニに対して反応しないように言い聞かせる、それが免疫療法です(減感作療法とも言います)。これまでは、ダニの成分を皮下注射する方法のみでした。週に 1 度、数年間の通院。通院だけでも大変なのに、毎回皮下注射です。有効なのは分かっていても、長続きしない患者さんが多いのが現実でした。昨年末に皮下注射ではなく、舌下投与できる錠剤が発売され、当院でも治療を開始しています。1 日 1 回、1 錠を舌の裏に投与し、飲み込むという治療法ですので、注射に比べて長続きするのではないかと期待しています。
  一方、ダニに対して過剰反応する患者さんに、ダニの成分を投与するわけですから、副作用としてアレルギー反応が起こる場合があります。口腔内のかゆみ、腫れなど軽い副作用が主体ですが、アナフィラキシーという重症のアレルギー反応が起こる可能性もあります(国内で行われた治験では、アナフィラキシー症例はいませんでした)。

②どのような症状を持つ人が対象となるのでしょうか?

  症状というよりは、ダニアレルギーにしか効きませんので、アレルギー検査でダニアレルギーと確定していることが必須です。ダニアレルギーであることが確定していて、鼻炎症状があれば対象になる(第一条件クリア)と考えて良いと思います。あと、薬を投与できるのが 12 歳以上の患者さんに限られますし、治療に前向きで、治療法を正しく理解している患者さんが対象になります。

③受けたいと思ったらどうすれば良いのでしょうか?

  まずは舌下免疫療法を行っている施設を受診することですね。施設は、鳥居薬品さんのホームページなどで検索することができます(http://www.torii-alg.jp/mapsearch/)。
  当院では、まず問診、鼻内の診察,レントゲン(副鼻腔炎の合併をチェック)、アレルギー検査などを行います。アレルギー検査は他院で行ったものをご持参頂いても構いません。舌下免疫療法についてお話しし、パンフレットをお渡ししてご自宅で見て頂きます。その上で、治療を希望されれば、もっと詳しい説明と、患者さんが治療法について正しく理解しているかを確認させて頂きます。1 回目の内服は、当院で薬を飲んで頂き 30 分間院内で経過観察し、アレルギー症状が出ないことを確認します。2 日目以降は、ご自宅での投与となります。

④治療期間はどれくらいになるのでしょう?

  早い人で 3 ヶ月くらいで効果が出ますが、治療期間は 3 年から 5 年間が推奨されています。“体質を改善する治療法”ですから長期戦となります。やはり、患者さんが舌下免疫療法を正しく理解し、治療に積極的であることが、治療を行う上で重要だと考えています。

⑤その間、通院していなければなりませんか?

 薬が発売されてから 1 年間は、2 週間しか薬を処方することができませんので、必然的に 2 週に 1 度の受診が必要になります。長期処方ができるようになっても、定期的に鼻内を診察し、症状が改善しているかを診る必要がありますので、月に 1 度くらいは受診が必要になります(これは病院によっても異なります)。

⑥治療費は?保険は適応されますか?

  もちろん保険適応です。お薬代は、月 6,000 円程度ですので、3 割負担の方で 2,000 円弱です。薬の効果が出てくれば、アレルギーの薬を減量することができますので、そういう意味では治療代はそれほど高くはないと考えます。

《 ま と め 》
 免疫療法は、薬の副作用が出現する場合がある、長期間治療を続ける必要がある、年齢制限がある、全ての人に効果が出るわけではないなどの問題点はありますが、アレルギー反応自体が起こらなくなる可能性のある唯一の方法です。
 興味のある患者さんは、是非ご相談下さい。

手稲クローバー耳鼻咽喉科
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